5/10、初のエスコンでの日ハム戦は、123球(自己最多)を投げ、6回途中8安打、失点5で2敗目を喫した。
2回に、先頭打者マルティネスに1発を浴びるも、3・4・5回とランナーを3塁に置きながら粘りのピッチングをして失点は防いでいましたが、6回不運なポテンヒットもあり同点になると、ランナーを残しての降板。次の投手が打たれ、自責点はワーストタイの5失点。
この後、マスコミを含めてSNSでは朗希の酷評ばかりが目立ちました^_^;
・投球数が増えてもあの球速じゃ抑えられんね
・制球が悪すぎる
・メジャーで通用するはずがない
・変化球投手なの?
・令和の怪物ではなくただの好投手
・ベンチで感情をあわらにしすぎ
前回、オリックス戦で7回を投げ、失点0に抑えて3勝目を取ったときはSNSでは絶賛の嵐でした。
・160キロを投げなくても簡単に勝てるね
・省エネ投法でも勝てるすべを覚えたんじゃない
・スライダーが効果的で的をしぼれない
・ローテを守れそう
・15勝はするでしょう
・大人の投手になった
私自身はこの日の投球に対してもそれほど高い評価はしていませんでした。
ローテを編成しなおし、朗希を各チームの対戦の頭に持ってきて、ソフバンの当てるような形になったのに、中9日もあってロッテの4連勝後の連勝ストッパーのなったのだから、酷評も仕方ないと思います。ただ、私自身は今季、5年目の朗希に対して、勝った日も負けた日も朗希の評価はさほど変わっていません。
いわゆる及第点の投手である。
ということ。
今季5年目の朗希の投球スタイルが本来なら、"令和の怪物"なんて呼び名はまず似合いません。
唸るようなストレートは影を潜め、変化球でかわす投球。
こんな朗希に私は全く魅力を感じません。それでも、今季、きっと、いや必ず、手が付けらな投球をするかもしれない と心のどこかで思いながら応援しているのです。
昨年までの朗希とは違いすぎます。
何がって‥ 私のまとめた開幕6戦までの試合データを昨年と比較してみましょう。
まずは今季です。
次は昨シーズンです👇
皆さんは、何に目が行きましたか。
どうしても目がいくのは、そうです。球速の違いです。
昨年4月28日は、Max165キロを投げ、大谷にならんで日本最速タイとなった日です。なんと朗希はこの日、165キロを4度計測。驚くことにクイックで投げても記録し、7回100球目でも165キロを出し、まさに怪物でした。
【検証:今季のストレートについて】
投手の投げる球速ばかりに目がいってはいけないと言われます。それは、回転数が大切であること、軌道が大切であること、いわゆるボールの質が重要なのですが、ここまで昨年と球速が違いすぎると唖然とします。
★昨季6試合‥Max165㎞ 平均159.67㎞ ・今季6試合‥Max161㎞ 平均155.13㎞
平均で4キロ以上遅いということは、今季全てのストレートにおいて昨年とは4キロ遅いということです。これってやはり寂しくないですか。
この原因はなんでしょうか。
私は4つの仮設を持っています。
① 長い回を投げることを目標にしているため、出力を極力抑えて投げている。
② 160キロ台を投げ続けると怪我のリスクが高まる。
➂ 投球フォームの変化から、160キロ台は、実はもうなかなか出ない。
④ 体の成長と筋肉の付きから、球速が出ない体のしなりになっている。
どの仮説も可能性を持っており、現在決めつけてはいません。あるいは4つすべてが混在し、球速が出ていないのかもしれません。
①については、多くの方が指摘している部分です。本当はいつでも160キロ台を投げられるのだが、ローテを守ることが一番の今季、あえて出力を抑え、1年間フル出場を意識しているから、というのが一般的に言われていることですが、間違いではないでしょう。あの剛球投手、江川氏が、9回まで完投を考えた場合、全力では絶対持たない。バッターを見て、手を抜くという表現はよくないが、力を抑える場面とここぞというところでギアを上げる投球をしないと9回まで持たない。また、全力というより、リズムよく投げることが大切である と。
確かに、今季、ランナーが3塁にいるときや、ここで打たれたくない、という場面では158キロ前後のまっすぐを投げており、ギアチェンジしているのは間違いないと考えられます。
それでも意図的にトップギアに上げて160キロ台を出さないということであれば、②の怪我対策ではないでしょうか。
昨季の6試合のまっすぐのデータはまさに怪物ですが、7月25日に一軍登録を抹消されています。その理由は、左脇腹肉離れ全治2か月でした。この日まで、彼は7勝2敗防御率1.48 奪三振数140 奪三振率13.76とトップクラスの成績だったので、私のショックはかなりのものでした。
彼は9月に復帰して2試合を投げていますが、平均球速は156キロあたりに落ち、2敗しています。
彼は過去に、160キロ出してる時の感覚について、「なんというか、腕が飛んで行ってしまうような感覚がありますね」と答えているところから、160キロを超えて投げるというのは、怪我と背中合わせで、脇腹を痛めたことがトラウマになって渾身の力でボールを投げることを極力避けている可能性は考えられます。
③については、今季3試合目で161キロを計測した日のコメントで、投球フォームがしっくり来ており、力の感覚と球速が比例しており、もっとスピードが出ると思う、と答えていました。今季は、キャンプのときからフォーム的にしっくり来ないというコメントを多く見ることがあり、試行錯誤の中、シーズンに入った感があります。
ただ、私は、フォームの変化は、スライダーの多投が原因ではないかと考えています。
試合で空振りが取れたり、相手に的を絞らせず効果的であったりすると、解説OBたちはこのスライダーを、ダル秘伝スライダーと絶賛します。昨年までスライダーは、全投球の17%ぐらいだったのですが、これでもとても増えたと言われました。
前回の日ハム戦を見ると、スライダーの割合はなんと、31.7%なのです(◎-◎;) この日、フォークが28.4%なので、フォークに代わって勝負球にした感があります。
私は専門家ではないので、詳しくは分かりませんが、野球OBのある解説者が、スライダーは腕の降る角度や腕の使い方が若干異なり、多投するとフォームに影響する、とコメントしていました。
私は、このスライダーの多投が、まっすぐの投球フォームや球速の落ちに影響しているのでは、と考えています。
最後に④の可能性についてです。
朗希を酷評するSNSのコメントの中に、体がまだまだ細い、まだまだ体ができていない、との文字も見ることがあります。
彼の高校時代から比較すると、かなり肉付きはよくなってきたと思います。
太ももの筋肉量など、全く違うことが分かります。ただ、こういった筋肉量が、球速において絶対的に伸びるとはかぎらないと考えます。
不思議なもので、あのフィギアスケートの浅田真央選手は、ジュニア時代簡単にトリプルアクセルを飛んでいたのを、体が成長し、背も伸び大人になってトリプルアクセルの成功率がうんと下がりました。野球とスケートは違うって? 笑
では、私の好きなもう一人、澤村拓一は巨人時代、筋肉育成に目覚め笑、とことん筋肉をつけ始めた時代、どんどん勝てなくなり、制球がおかしくなりました。球速は152キロほどで、とくに走るようになった感じはありませんでした。彼は今もトレーニングを歯磨きと同じように毎日、続けていますが、今はしっかり投球に合致し、36歳になる今、前回の試合で、最速156キロが出ていたのは驚きでした。
まとめると、体が成長し、筋肉が付き始めるとフォームにずれが生じ、よいパフォーマンスが得られなくなるのではないでしょうか。でもそれはいつしか調整され、うまくかみ合うと、高い次元の投球に結びつく可能性もあると考えています。
朗希の場合、今季はキャンプからフォームに課題があることが伝えられ、もしかすると身長もまだ伸びているのかもしれません。そのうえ、筋肉がついてくると、これまでのような柔軟な体の使い方が阻害され、球速にも影響するのではと考えています。ただ、球速低下の原因が、④に限定されるなら、いずれは改善されることでしょう。
ここまでが、彼のストレートに関する今季の検証です。
私はいくら長い回を投げ、1年間働ける投球を身に付けたとしても、もう160キロは出ません。まっすぐで相手を牛耳られません、というなら、彼の魅力は半減するものと感じています。
次の昨年の動画を見ると、わくわくしてしまうのは私だけでしょうか。
この試合👇は、打たれるのですが、まっすぐで押す朗希に魅了されます!
今の朗希とは別人に見えますねぇ(* ̄ρ ̄)
ここで、ロッテOBの方は、今の朗希をどう思っているのでしょうか。
ロッテOB元エース清水氏‥いい・悪いは別として、過去4年と比べると「別人が投げている」と言ってもいいくらい違います。出力を抑え、真っすぐは150km台中盤(平均球速155.2km)でスライダーが多めですね。真っすぐの球速は出力を抑えていますが、ローテーションを守って1年間投げ切るための取り組みでしょう。真っすぐの球質が一番の問題だと思っています。出力を制御していることが影響しているのか、今季は投球フォームがよくない。それが、球質にも影響しているでしょうから。 ボールが手から離れる時に左肩が落ちて一塁側に倒れていますし、体が早く開いてしまっているので、ボールの出どころが見やすくなっているはずです。しかし大前提として、先発の役割は十分に果たしています。QS率もそうですし、朗希の場合は、投球の次元が違うので周囲が求めるレベルも高いということですね。先発ピッチャーとしての評価の基準のひとつは、規定投球回に到達したかどうか。球速や奪三振率は彼の魅力ですが、本人は先発登板の回数を増やし、規定投球回に達することを優先していると思います。バッターの調子にも左右される勝敗数などよりもわかりやすいテーマですよね。今季のピッチングを見ていると、その部分に注力していることは明白ですし、今後も注目していきたいです。
ロッテOB元正捕手里崎氏‥今、朗希投手は大人の階段をちょっとずつ上っている最中。去年までは毎試合全力で投げていた。1年間持たない。今年は強弱をつけながら、常に全力ではなく抜きながら1年間持たせようというマネジメントで123球、自身最多投球。ダルビッシュ投手も田中将大投手も、最初はスピードガンばっかり見ていた。途中から抜くとこは抜く、やるところはやるというところで、大人のピッチングですごい選手になってきた。佐々木選手も大人の階段を上っている途中なので、今、我慢のしどころです。一喜一憂したらダメです。
お二人とも、私よりも優しい言葉が目立ちます。笑
◇
球速について検証してきましたが、次はこれです。
【検証:今季の制球について】
佐々木朗希が怪物と言われる所以は、球速が規格外であるだけでなく、制球力の高さにありました。
どの野球OBたちも、彼の昨年までの高いストライク率と160キロを超す球速の中で、乱れない制球力の高さを絶賛していました。あれだけのスピードボールを投げ、腕が長いのに、リリースポイントが一定しているところについては、持って生まれたものではないか、教えられてできるものではない、と言わしめました。
朗希は調子のよい日は、ほとんど2球で2ストライクと追い込み、3球で勝負ができていました。相手もあせり、早めに手を出し、球数が少なく勝てていた印象があります。
今季は‥
昨日の日ハム戦、5四球はあまりにも無残でした。初球場であったこともありますが、四球でランナーを溜め、自滅した感があります。
6試合を終えて四球の数はなんと15個。1試合必ず2~3個は出している計算になります。これはとても残念な状況です。(5/12日現在)
パリーグ内を見ても、ワースト2位の記録です。(1位は同チームの種市投手の17個)
これは本当に朗希らしくありません。この四球数は、朗希の評価をうんと下げている部分になっています。ではどうしてでしょうか。
やはり投球フォームやリリースポイント、腕の振りに由来してくると思いますが、とにかくボールが抜けます。
試合が始まって特に1回がボールが抜けています。まっすぐが右打者なら外角高めに3球連続で抜けることもありました。
前回の日ハム戦ではスライダーがすごく抜けました。外角低めを狙っているボールが、外角高めに行ってしまう逆玉抜けボールが目立ちました。これは吉井監督から、はじめから調子が悪かった、と言われても仕方のない部分でした。
制球に関しては、まずもって今季はよくないと断言できます。
朗希も今季のうまくいかない、思い通りにいかないことは重々分かっています。では、なんの対策もしてないということはありません。ボール3になったあとのボールのストライク率は高いです。
試合中も微調整を感じることがあります。
朗希のまっすぐは、力を集中しやすい反面、制球が難しいとされる人差し指と中指をくっつけて投げるのですが、今季は指の隙間を見ることが多いです。これは制球に重きを置いているのではないかと思います。
朗希と他の普通の投手との違いは、こういった試合中に調整能力があることです。彼は試合中も集中して努力をしているのは確かなのです。
◇
【検証:変化球フォークボールについて】
速球とフォークボールの落ちは、彼の生命線です。
これまで6試合での三振数は41で、奪三振率は9.64です。それほど悪くないように見えますが、昨年は6試合で59個。奪三振率は驚異の13.97です。昨年の15試合全体では三振数は135で、奪三振率は13.35と群を抜いており、彼が規定投球回を投げていたら、間違いなくタイトルを取れたでしょう。
確かに三振数は減ってはいますが、41個の今季の球種内訳は、フォークが22個、スライダーが13個、ストレートでは6個となっています。
ようするに、フォークで三振を取る力は衰えてないと省察できます。特にZOZOマリンや風の力をもらう外の球場では力を発揮し、神戸球場でも1試合10個奪いました。
フォークについて、今季言えるのは、他球団が昨年と違って選球の目、そして当てる力が高くなったと言えるでしょう。前回の日ハム戦など、朗希の素晴らしいフォークの軌道でもバットを振らず見切ったり、空振りせずファールで粘るシーンも多くみられ、朗希のフォークがすごく研究されてる感があります。他球団の朗希対策がしっかりされているのは間違いありません。
◇
【検証:精神面について】
朗希を弱い人間だ、というコメントを見ました。その理由はどこにあるのでしょうか。
私は朗希の精神面は強いと見ています。
その理由は、ランナーを埋めた時の冷静さや試合をぶち壊すような投げだす投球は一切ないということです。しかも、ベンチでは常に捕手とコミュニケーションをしており、常にバッターの攻略について集中できています。
前回の日ハム戦で、彼が降板し、ベンチから出ていくシーンが映され、そこで何かを蹴散らすかのような動作がありました。
なんじゃ悔しさをコントロールできないんか
なんて批判的なコメントも見受けられましたが、私は大いにけっこう! あれだけ感情を出すなんて、相当くやしかったんだろうなと全く悪いどころか、高評価に捉えています。一見クールでおとなしく見える朗希ですが、感情表現はとても豊かな人間です。
あの、WBCでの泣いたシーン。帽子を叩きつけて喜んだシーンはまだ記憶に新しいですね。また、ボール判定に悔しさが出てしまったあの事件など、話題性に富んだこともあるほど、感情が豊かです。
さらに、ユーモアもあります。お立ち台で、1年分の追加点をもらったとか、今季は球が速くないので疲れてないなど、自虐ネタもあって、私は彼のキャラが大好きです。
ただ、今後、今回のように連勝ストッパーと酷評され、ただの投手になったと中傷されるようなことは、まだまだたくさんあることでしょう。精神面については、これからもっとタフになっていかないと、プロでは生き残れないと思っています。
◇
【検証:メジャー行きについて】
はっきり言います。今季の戦況なら通用しないでしょう。
球速が157キロ前後の投手なんてメジャーではごろごろいます。おまけに今の制球力ならメジャーは必要としないでしょう。
毎試合、メジャーのスカウトが球場に足を運び、正直うざいです(* ̄ρ ̄)
朗希がいいところを見せようとしているかどうか分かりませんが、朗希も精神的に疲れてしまうのではないかと案じています。まあ、朗希の契約更改が遅れ、その理由などで世間を騒がせてしまっているので、このメジャー騒動については、自分がまいた種になっているところは仕方のない部分でもあります。
まだ1年活躍してもいない朗希が、メジャーを語るのは好きではありません。また、今の状況では通用しないと思います。前回、中9日での投球で、123球投げましたが、肩で息をし、ヘロヘロでした。メジャーの中4日で投げる朗希は、想像もできません。
最後にー
今の投球スタイルなら、たとえ1年間ローテを守っても、勝ってせいぜい10勝と見ています。たとえ毎回7回まで省エネ投球で投げても、制球力と球の走りが戻らないとしたら、本当に普通の投手になってしまうことでしょう。
さらに、メジャーの評価は落ち、声が掛からなくなるのではないでしょうか。
願いとしてー
メジャー発言は封印してください。
そして怪我に強い体づくりを継続し、時にはリミッターを外して160キロ台のまっすぐで三振を取りに行ってください。スライダーでかわすのは朗希らしくないと思ってしまいます。
あの痺れるような、唸るような、糸を引くようなストレートが復活することを心から願って止みません。
以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
ブログを書き始め、データを計算したり探したりしていたら、ブログを書き終えるまで5時間かかりました。爆
もう少し、簡単なブログにしないと体がもちましぇん。笑
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